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東北大が開発、「水中バイオ発電パッチ」のスゴい仕組み

東北大が開発、「水中バイオ発電パッチ」のスゴい仕組み

酸素補充できる水中バイオ発電パッチ(東北大提供

東北大学の照月大悟助教と西澤松彦教授らは、数十秒で酸素を補充できる水中バイオ発電パッチを開発した。グルコースの酸化と酸素の還元で発電し、皮膚に微弱電流を流す。水中で利用し、空気中にパッチを上げると酸素を取り込んで発電を再開する。入浴中や口腔内での鎮痛や薬剤浸透などの用途に提案していく。

バイオ発電では酵素を利用し負極でグルコースを酸化し、正極で酸素を還元して起電力を得る。この正極を、水を弾くシリコーン樹脂(PDMS)で覆い防水化した。PDMSを50マイクロメートル(マイクロは100万分の1)まで薄くしたため酸素を透過する。

発電パッチを水から上げると空気中の酸素を取り込み、微小空間に蓄える。微小空間はPDMSの接合を工夫してアレイ状に形成した。電極1平方センチメートル当たり10マイクロリットル以下の容量がある。実験では水中で0・5ボルトを200秒間保ち、水から上げると数十秒で発電量を回復した。

日刊工業新聞 2022年8月24日

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