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廃エアコン室外機のコンプレッサー、自動回収するロボットの仕組み

廃エアコン室外機のコンプレッサー、自動回収するロボットの仕組み

中部エコテクノロジーで実証試験を開始したエアコン室外機のコンプレッサー自動回収装置

三菱マテリアルは廃エアコン室外機のコンプレッサーを自動回収する装置を開発した。作業員に代わりロボットがコンプレッサーを固定するボルトを外し自動回収するシステムで、労働環境の改善と省人化に寄与する。月間100トン超のコンプレッサーを回収する家電リサイクルのグループ会社、中部エコテクノロジー(三重県四日市市)で実証試験を行っており、2022年中の実用化を目指す。

開発した自動回収装置は、ロボットがカメラで検出したコンプレッサーを固定するボルトを外した後、コンプレッサーを持ち上げて回収する仕組み。室外機はメーカーや年式などで構造が異なるので当面は人の監視が必要となるが、三菱マテリアルは改良を重ね自動回収率を高める方針。

屋外に設置されるエアコン室外機は、解体する際に汚れやホコリ、錆(さび)などを手作業で除去するため、作業環境が厳しく作業効率も低い。また主要部品のコンプレッサーは、大きなもので1台10キログラムを上回る。

重筋作業に加え作業員の高齢化や確保が難しくなっており、作業の負担軽減が課題となっていた。同社は労働環境改善策の一環として開発した。

同社は家電リサイクル事業をグループ6社7工場で、年間約380万台のエアコン、冷蔵庫などの廃家電を回収し再資源化する。これまでも自動化解体システムとして、薄型テレビ内部基板のネジ外し自動解体装置や、解体したエアコン室外機の部品ピッキング(仕分け)装置などを導入している。

日刊工業新聞2022年8月18日

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