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エアロネクストが世界初、牛の受精卵のドローン配送に成功

エアロネクスト(東京都渋谷区、田路圭輔社長)は、子会社を通じて北海道上士幌町で飛行ロボット(ドローン)を活用した牛の受精卵配送の実証実験に成功した。JA全農ET研究所(北海道上士幌町)で採卵した牛の受精卵を、冷凍保存せずに新鮮卵の状態のままドローンを使って上士幌町内の農家宅へ配送し、移植実験を行った(写真)。牛の受精卵のドローン配送は世界初としている。

ドローン配送は国の「デジタル田園都市国家構想推進交付金」を活用して実施した。従来は牧場に牛を運び新鮮卵を移植したり、農家が研究所まで受精卵を車で引き取りに行ったりしていた。実験では輸送にかかる農家の手間やコストの観点からドローン配送の有効性を検証した。

ポイントとなったのはドローン配送中の温度管理や振動の抑制。実験ではET研究所から農家の牧場まで片道7・1キロメートルの距離をエアロネクストが開発した物流専用ドローン「AirTruck」により13分で結び、発情同期化させた乳牛に移植措置を行った。

エアロネクストはドローン配送中の揺れを制御する独自技術を持つ。この実証は2022年度中にあと3回行う予定だ。

エアロネクストはトラック輸送とドローン配送を組み合わせた戦略子会社、NEXT DELIVERY(山梨県小菅村)を21年に設立しており、実証は同子会社を中心に行った。

日刊工業新聞2022年8月11日

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