「知の社会実装」を推進する東京大学のSDGs

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COP26に合わせて、カーボンニュートラルの道筋を議論する産学連携の組織、ETIーCGCを立ち上げた(東大提供) 

東京大学は2017年に初の指定国立大学となる時に、未来社会協創推進本部の設置を目玉の一つとした。地球と人類社会の未来に貢献する活動で、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の活用を掲げた。その後、大学債を発行する初の大学となり、SDGsは社会との対話に欠かせないものとなった。

中でも環境は、東大が規模と総合力を生かして長年、力を入れてきた。本郷キャンパス(東京都文京区)は東京都の業務系事業所の中で最大の二酸化炭素(CO2)排出者でもある。旧サステイナビリティ学連携研究機構などの統合で発足した未来ビジョン研究センターや、その下のグローバル・コモンズ・センターが中心となっている。

存在感を高めるきっかけは、21年秋に策定した同大中長期の基本方針「UTokyo Compass」にあった。行動計画の一つに、サステナビリティー(持続可能性)を体現するグリーントランスフォーメーション(経済社会システム全体の変革)が位置付けられた。大久保達也理事・副学長は「世界のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現に向け、大学が知の社会実装の活動を推進していく」と強調する。

これを受けての対応は矢継ぎ早だ。まず国連気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)による、温室効果ガス排出量実質ゼロに向けた「レース・トゥ・ゼロ」に日本の国立大学で初めて参加。10月末から英国・グラスゴーで開かれた国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の会場と、日本とつないだ学生対話を実施した。

またトヨタ自動車など13社と共同で、カーボンニュートラルの道筋を議論する基盤「ETI―CGC」を設立。世界共有資産についての意思決定、グローバル・コモンズ・スチュワードシップの指標は、2021年版リポートを海外の連携機関と発表した。「日本の強い縦割りの壁を大学が取り払う」(石井菜穂子理事)と意気込んでいる。

日刊工業新聞 2022年5月31日

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