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青、黄、緑…。色の変化で機械刺激の圧力を測定するフィルムの仕組み

青、黄、緑…。色の変化で機械刺激の圧力を測定するフィルムの仕組み

圧力測定フィルム(名大提供)

名古屋大学の松尾豊教授と東京都立産業技術研究センターの小汲佳祐副主任研究員らは、機械刺激で色が変わる圧力測定フィルムを開発した。空間分解能は50ナノメートル(ナノは10億分の1)。フィルムをプレス面に挟んで力をかけ、フィルムの色から圧力の微細なムラを捉えるといった用途が広がる。

フルオレニリデン―アクリダンという有機化合物の変色を利用する。この分子構造は普段は折れ曲がり型で、凝集して黄色に発色する。圧力などの機械的な刺激を受けるとねじれ型に変形し、凝集が解けて緑色になる。

真空蒸着でフルオレニリデン―アクリダンの薄膜フィルムを作製した。蒸着膜は濃い青だがメタノールにさらすと折れ曲がり型になり黄色くなる。100メガパスカル(メガは100万)から450メガパスカルの垂直応力をかけると徐々に緑になり、波長541ナノメートルの反射率と相関があった。圧力を定量的に計れる。微細なパターンを刻んだ型で挟むと50ナノメートル以下の空間分解能があった。

日刊工業新聞 2022年7月21日

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