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除雪や排土で活躍!クローラーダンプを自動化する後付け技術の仕組み

弘前大が開発
除雪や排土で活躍!クローラーダンプを自動化する後付け技術の仕組み

自動化されたクローラーダンプ(弘前大提供)

弘前大学の竹囲年延助教と稲川正浩大学院生、川辺知人大学院生は、中小工事向けにクローラーダンプの後付け自動化技術を開発した。既存の建機を改良し、周囲に配置した高性能センサーのLiDAR(ライダー)で計測して自動運転する。直進精度は10センチメートル。除雪や排土など中小規模の現場に導入しやすくなる。

中古機など既存の機体を改良して自動化する。対象とした小型クローラーダンプはレバー2本で左右のクローラーの回転速度を調整して走行する。そこでレバーをそれぞれ後付けのスライド機構で動かした。レバー操作量とダンプの速度を対応させて、目的の車速に制御する。

油圧回路や通信遅延、スライド機構の遅れを含めた制御モデルを作成した。スライドを動かしてから車体が動くまでのずれを吸収させた。直進精度は平均で10センチメートル。曲線経路への追従精度は17センチメートルだった。ライダーでの位置推定精度が8センチメートルのため、高精度に制御できたといえる。

ライダーの点群データに建機の3Dモデルをマッチングさせて車体の位置を求める。異なる車種が同時に働いていても位置を把握できる。ビルや橋の陰などGPSの範囲外で利用できる。50メートル程度の空間を二つのライダーで運用する。建機にライダーを設置すると建機の台数だけライダーが必要になった。

中小規模の現場は建物の陰となることが少なくない。コストを抑える必要もあり、高価なライダーは環境側に設置して台数を減らした。内閣府のムーンショット型研究開発事業で実施した。

日刊工業新聞2022年7月15日

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