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東京理科大などが「希土類フリー磁石」開発

東京理科大などが「希土類フリー磁石」開発

希土類を含まず資源リスクの低い磁性材料開発(イメージ=東京理科大提供)

東京理科大学の小嗣真人教授と古矢大悟大学院生、物質・材料研究機構の岩崎悠真主任研究員らは、鉄隕石磁石を超える希土類フリー磁石を開発した。シミュレーションと人工知能(AI)技術を用いて物質の結晶構造を特定し、単原子1層ずつ積み重ねて磁性膜を作製した。資源リスクの低い磁性材料の開発につながる。

量子力学に基づいて物性を予測する第一原理計算で候補物質を探索する。この結晶の原子配置をAI技術のベイズ最適化で絞り込む。鉄銅合金や鉄コバルトニッケル合金などが提案された。銅は非磁性元素で磁性材料の探索に用いられることは少ない。研究者の経験や勘からは出てきにくい物質が見つかった。

候補物質を単原子交互積層法で合成すると鉄コバルトニッケル合金が鉄隕石磁石の3倍弱の磁気異方性を示した。希土類を含まず資源リスクの低い磁性材料候補になる。

日刊工業新聞2022年7月8日

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