月面で建設活動へ、技研製作所と国交省が挑むプロジェクトの中身
技研製作所は国土交通省と、月面での建設活動プロジェクトに関する技術研究開発(R&D)契約を締結した。同社の杭圧入引抜機「サイレントパイラー」やシステム機器は原理上、無重力空間での施工が可能(イメージ)。2021年度の可能性検証で得た圧入技術の有効性や開発課題を知見としてまとめ、4月に国交省に提出していた。
プロジェクトの正式名称は「月面等での建設活動に資する無人建設革新技術開発推進プロジェクト」。R&Dステージでは月面での建設活動を想定して、地盤情報推定技術や自動運転技術を駆使した実証試験に取り組む。
具体的には、月面地盤を想定したテストフィールドで、輸送する資機材を減らせる小口径の管杭と、多様な地盤に対応可能な鋼管杭回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法」、圧入中の各種データに基づき地盤情報の推定や自動運転を行う「PPTシステム」を用いて実証施工をする。支持力を推定する技術なども開発する。
最終的には、月面における構造物の構築を想定し、施工データを利用して建設プロセス全体を合理化する技術の適用可能性を提示する方針だ。
日刊工業新聞2022年7月4日