パワー半導体の歩留まり高める、古河電工が銅板厚変動2分の1に
古河電気工業は、パワー半導体向けの無酸素銅条「GOFC」の製造において、0・25ミリ―2・0ミリメートルに対応する板厚の変動を従来比2分の1に低減した。パワー半導体の製造ロスの低減や出荷検査の歩留まり向上に寄与する。電気自動車(EV)モーターや電力送信などへの用途展開を見込む。2022年度後半には20年度比倍増となる50―100トンの月間生産量を目指す。
半導体チップを搭載し、チップと外部回路を電気的に接続・放熱するリードフレーム向け製品で培った板厚制御技術のノウハウを活用。GOFCの板厚変動を従来比2分の1に低減した。
半導体の基板はセラミックスの両面に無酸素銅板を貼り付けた構造をしており、銅板貼り付け工程の熱によって基板に反りが発生することが課題だった。反りの原因の一つに、両面の銅板の厚さの違いがある。貼り付けた銅板の厚さにより温度変化に伴う表裏面への熱膨張・収縮の影響に差異が生じ、銅板貼り付け後の基板に反りが発生する。
日刊工業新聞 2022年6月23日