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日本電産が半導体の調達を集中購買に切り替える背景事情

日本電産は、世界的に供給不足が深刻化している半導体の安定調達に乗り出す方針を示した。これまでの事業部や事業会社ごとの購買から集中購買に切り替える。2022年度中に具体的な戦略を策定する。同時にサプライヤーも絞り込み、発注量を増やすことによるコスト削減も狙う。

半導体の安定調達に向けて5月に設立した「半導体ソリューションセンター」(川崎市幸区)が購買の窓口になり、まずは車載分野で集中購買を進める。同センターは半導体メーカーの元部長など“半導体の専門家”で構成し、大村隆司執行役員が所長を務める。大村所長は「半導体サプライヤーが協力したいと思えるような信頼関係の構築が、我々の最初の挑戦」と話す。

加えて技術要求などを盛り込んだ見積依頼(RFQ)の作成体制も構築。事業部が必要とする半導体の選定などを同センターがサポートし、高付加価値な半導体を最適なコスト、納期で調達する。

台湾のTSMCなどが熊本県に建設を進めている半導体工場への参画については「可能性はゼロではないが、何を作るかが問題」と触れるにとどめた。

大村所長はルネサスエレクトロニクスとソニーで半導体開発などに従事。今年2月に日本電産に執行役員として移籍した。

日刊工業新聞2022年6月8日

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