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フッ素樹脂に粘着力10倍実現、積水化学が開発した新テープの仕組み

フッ素樹脂に粘着力10倍実現、積水化学が開発した新テープの仕組み

フッ素コーティングされたフライパンにも容易に接着

積水化学工業はフッ素樹脂やオレフィンなどの難接着材料に接着可能な粘着テープを開発した。生物模倣(バイオミメティクス)を用いて独自の接着化合物を合成。ムール貝の分泌物であるポリフェノール成分を分子構造中に組み込んだ化合物が、フッ素に粘着可能であることを突き止めた。開発品のサンプル提供を始めており、2023年度中の製品化を目指す。

開発した粘着テープは、フッ素樹脂に対し一般のアクリル系粘着テープの約10倍の粘着力を持つという。フッ素系材料は高周波回路用基板やパッキンなどの材料として使われる。通信インフラ分野などで材料開発が盛んな一方、表面エネルギーが低く、水や油を弾くという性質から他材料との接合が難しいという課題があった。

従来は表面の接着性を上げるため、下塗り剤(プライマー)を塗布し粘着テープを貼合(てんごう)していたが、こうした作業が不要になる。今後は粘着テープに加え、接着剤やバインダー樹脂などへの展開も検討する。

日刊工業新聞2022年6月6日

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