中小企業「BCP策定したいができない」。企業規模で大きな差
東京商工リサーチは18日、事業継続計画(BCP)を策定している中小企業が24・5%にとどまると発表した。同社が企業に実施したBCPに関するアンケート調査で明らかになった。策定済みの企業でも、自然災害や感染症への対策に比べて、電力不足やテロへの整備が遅れている模様。一方、大企業だとBCPを策定しているのは60・5%で、企業規模によって大きな差があった。
全体では「策定したいができない」は15・7%、「策定の予定はない」は27・6%で、合計43・3%が取り組みに遅れが生じている。規模別では「策定の予定はない」は大企業が9・4%だったが、中小企業は30・6%に達した。
BCPを策定済みの企業のうち、「自然災害(自社被災)」への対応が88・8%で最多だった。次いで「感染症」が56・7%、「自然災害(取引先被災)」が43・3%、「設備故障」が37・7%と続いた。
一方、策定済みが少なかったのは、「戦争・紛争・テロ」で8・5%。「電力不足」は16・5%、「経営者の不慮の事態」は20・3%だった。特に中小企業は「戦争・紛争・テロ」が7・6%、「電力不足」が14・7%と対策が遅れている。
企業からは「BCP策定指導」や「BCP策定の補助金支給」など、行政の支援を求める声もあった。大企業の9・4%、中小企業の16・7%は「策定したいができない」と回答するなど、企業への支援強化が急務となっている。
調査は1―11日にインターネットで実施。有効回答企業数は5165社。
日刊工業新聞2022年4月19日