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「着る補聴器」に応用も、MITが衣服に編み込める心拍モニター開発

「着る補聴器」に応用も、MITが衣服に編み込める心拍モニター開発

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米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)やロードアイランド·スクール·オブ·デザイン(RISD)などのチームは、非常に小さな音を電気信号に変換できる繊維状の音響センサーを開発した。柔軟で衣服に編み込むことができ、シャツを着た人の心拍や呼吸の状態を、連続かつリアルタイムにモニターできるという。

人間の聴覚システムにヒントを得て、柔らかく丈夫で音を検知できる繊維センサーを製作。曲がったり変形したりすると電気を発する圧電材料を使って、音によるナノメートル(ナノは10億分の1)レベルの機械的な変動を検知する仕組み。静かな場所から、車の通行が激しい道路脇のような場所に至るまで、幅広い環境で使用可能という。

音をとらえるだけでなく、スピーカーのように音を出す機能も併せ持つ。音響データを電圧に変換して繊維に流すとその通りの音を出し、センサー同士で「対話」するように音響データをやりとりできる。こうした機能を使い、耳の悪い人向けの「着る補聴器」といった応用も考えられるという。成果は英科学誌ネイチャーに掲載された。

日刊工業新聞2022年4月5日

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