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半導体不足続くが…ホンダは中国、スズキはインドで過去最高の生産台数だったワケ

乗用車メーカー8社がまとめた2月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比3・6%増の200万9870台で、8カ月ぶりのプラスとなった。新型コロナウイルス感染拡大や半導体などの部品不足の影響は続いているものの、部品のアロケーション(配分)を工夫してカバーした。新型コロナや地震の影響が大きかった前年の反動もあった。ただ足元では部品不足により各社が生産調整を続けており、本格的な回復には時間がかかりそうだ。

トヨタ自動車の世界生産は同10・9%増で、2カ月ぶりにプラスとなった。海外生産は2月として過去最高だった。「中国を中心にアジアでの生産が好調だった」(トヨタ広報)。中国では1月の生産調整で在庫に余裕が出た半導体を用いた。

スズキのインドでの生産は2月として過去最高だった。「半導体の使用数が比較的少ない」(スズキ広報)というアフリカ、中南米向け車種の生産を増やした。ホンダは中国生産が2月として過去最高。ダイハツ工業は世界生産、国内生産、海外生産のいずれも2月として過去最高となった。「トヨタ向けの生産が伸びた」(ダイハツ広報)。

一方で3月も部品不足が続く。ウクライナ情勢悪化で物流に遅れが出ているほか、16日に発生した宮城・福島地震で仕入れ先が被災した影響もあり、各社は工場の稼働停止などの対応を取っている。


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日刊工業新聞2022年3月31日

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