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2万2000ℓタンク搭載、コマツが開発した大容量散水車の迫力

コマツは東京石灰工業(東京都中央区、菊池宏行社長)の採石現場向けに、新開発の「HM300―5散水仕様車=写真」を納入した。ダンプトラックをベースにした一般的な散水車の約2・2倍、2万2000リットルの大容量タンクを搭載。広い採石場内を短時間で効率的に散水できるようにした。価格は非公表。大容量の散水車で効率良く散水したい要望は他社でも多いことから、今回の納入を機に他社へも拡販を目指すと同時に量産化で価格の引き下げを目指す。

採石現場はダンプが走るたびに粉塵が発生することから、散水が行われている。4―10トンダンプをベースにした従来の散水車はタンク容量が小さいため効率的な散水ができず、大容量の散水車が求められていた。

今回の散水仕様車は全長1万1475ミリ×幅3280ミリ×高さ4542ミリメートルの外形サイズで、散水能力は毎分1500リットル、散水幅は20メートル。タンクは単に大容量なだけでなく、内部を12部屋に区切って急発進・急停車しても水の重心変化を最小限に抑えられるようにし、運転の安全性を高めた。

安定性に優れる中折れ式ダンプトラック「HM300」をベースにしているため、20度の斜面でも散水が行える。タンク底面をすり鉢状にしているため残水量2%まで散水ができ、環境性が高い。


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日刊工業新聞2022年3月29日

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