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【2016を読む】新・定番商品へ。アウトバウンドで稼ぐ

コンドームは中国に、みそかつは台湾に
【2016を読む】新・定番商品へ。アウトバウンドで稼ぐ

仏リヨンで開かれた領事祭で製品をアピール


アジアで広がる「みそかつ」


 ”名古屋めし“の代表格である「みそかつ」レストランを運営する矢場とん(名古屋市中区)。同社は2014年11月にタイ・バンコクに初の海外店舗を出店して以来、15年11月にはバンコク2号店を開店した。月内にも台湾1号店のオープンを予定するなど、アジア諸国へ展開している。

 海外出店の狙いは、外国人が「自分の国で食べたみそかつを、本場の日本で食べてみたい」と思ってもらうこと。訪日観光客を呼び寄せるしかけでもある。矢場とんの海外店舗は、現地有力企業とフランチャイズ契約を結んで出店。「地域を知った人に任せ、経営してもらうことで地元に根ざした経営ができる」(鈴木社長)。

 ただ、やみくもに出店はしない。契約時には「相手が、矢場とんでなければならない理由を明確に持っているか。矢場とんをどれだけ愛しているか」を重視する。

 タイの契約相手、バイヨークグループのピヤラート・バイヨーク副会長は日本留学時に矢場とんを食べ、タイでもヒットすると確信してラブコールを送り続けた。だからこそ食材のうち、みそやソースは日本で作ったものを輸出する。あえて現地人の味覚に合わせてはいない。

 第1号店を開いたトンロー地区は日本村があるため、鈴木社長は当初顧客の8割は日本人になると想定していたというが、実際は半数がタイ人という。顧客がソーシャルネットワーキングサービス(SNS)にみそかつの写真を載せて口コミを広げ、バイヨーク副会長が交友関係を駆使して知名度を高めたのが奏功している。第2号店は日本人村のないバンコク東部に開いた。

 今後は台湾をはじめ、米国への出店も構想している。だが、鈴木社長は「どの国においても、まずはパートナーと相思相愛になることが第一条件だ」と言い切る。


日刊工業新聞2016年1月1日地域経済面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
今年はインバウンドからアウトバウンドの大きな流れが生まれるだろう。TPP合意もあり地方の伝統品にも注目。

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