リース大手が事業拡大、「水上太陽光発電」の成長性
東京センチュリーが100メガワットへ
得意領域融合、PPA拡大
東京センチュリーはフランス企業の事業への投資を通じ、水上太陽光発電事業を拡大する。水上型を運営する仏シエル・テールが日本で手がける発電事業会社2社への出資を決めた。水上型は貯水池などに太陽光パネルを設置する方式で、発電に向く陸地が少ない国内で成長余地が見込まれる。東センは出資を機に水上型の規模を拡大する。中期で100メガワット(メガは100万)に引き上げる。
東京センチュリーはシエル・テールの発電事業会社への出資を通じ、水上太陽光発電に関わる両社の得意領域を組み合わせる。東センは資金や顧客網など、シエルは発電所開発や保守でそれぞれ補完し合う。再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)終了を見越し、リース会社などが利用者に電力提供するPPA(電力販売契約)の拡大などにつなげる。
出資先の2社は関東や近畿、中国、四国にある計19カ所・22メガワットの水上型を運営する。山林が多い日本は一般的な陸上型の太陽光発電の適地が限られる上、すでに国土に占める太陽光発電の設備容量は世界上位とされる。東センは設置できる場所の選択肢の多い水上型の成長を見通し、年間10カ所程度を開発していく考えだ。
日刊工業新聞2022年3月11日