ニュースイッチ

中身の液体を揺らさずグラスを移動させるロボット技術が面白い

青山学院大が開発
中身の液体を揺らさずグラスを移動させるロボット技術が面白い

制御側が約0.2秒後に同じ動きを実施し、液体をこぼさずにロボットを動かせる

青山学院大学理工学部の田崎良佑准教授の研究室は、多軸ロボットを遠隔から操作する際、繊細な作業をしやすいようアシストする制御技術を開発した。多軸ロボットが動く際、約0・2秒後に同じ動き出しをもう一度行うことで動き出しの揺れを打ち消す。実験では、多軸ロボットが持つ液体の入ったグラスの中身を揺らさずにロボットを動かせた。障がい者やスキルを持たない人がロボットを遠隔操作しても高度な作業ができるよう支援する技術として確立する。

田崎准教授のほか、理工学部知技能ロボティクス研究室笹竹晴萌研究員、修士1年の原田直弥氏、学部3年の中川竜志氏が開発メンバー。今回は、ゲーム機用のコントローラーを使って多軸ロボットを操作し、その際にロボットが持つグラス内の水を揺らさないシステムを構築した。操作者が1回指示を出すと、システムが0・2秒後に同じ動きをするよう信号を出す。ロボットは2回同じ動きをすることになり、動き出しの加速で起こる波を2回目の加速で打ち消すことで液体を揺らさずに動くことができる。高速でも揺れない動きが可能だ。

こうした技術を応用し、ロボットを使って熟練の技術が必要な作業をする際に、自動的に繊細な動きを支援して誰でも作業できるようにしたいという。


日刊工業新聞2022年3月10日

編集部のおすすめ