対象物を追いかけて認識する新型「3Dビジョンセンサー」がロボハンドを進化させる
クラボウが開発
クラボウはロボットハンドに取り付け、さまざまな角度から対象物を見られる3次元(3D)ビジョンセンサーを開発した。固定型の3Dセンサーよりも視野範囲が広がり、狭く入り組んだ環境でのロボットによる自動化が可能となる。電子・車載機器や電気自動車(EV)モーターなどの生産現場での使用を想定するが、顧客の工場での実証実験などを通じて仕様を固め、市場投入につなげる。
開発したのは「ビジュアル・モーション・フィードバック(VMF)センサー」で、対象物を追いかけて認識する機能も持つ。ベルトコンベヤーに乗せた基板にコネクターを締結するなどの使用方法を想定している。
VMFセンサーは、クラボウがケーブルやコネクターなどの線状物認識に特化した3Dビジョンセンサーとして展開する「クラセンス―C100」の技術を応用し、開発した。同社はロボットセンシング事業に注力しており、VMFセンサーと連動するセンサー付きロボットハンドの開発も進めている。
9―12日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれる展示会「2022国際ロボット展」に出展する。展示会をきっかけに顧客の工場での試験を実施したり、来場者の意見を反映したりするなどして、最終的な仕様や展開する市場を決めていく。技術研究所長の八木克眞常務執行役員は「当社は賢いセンサーを作るカメラ屋の立ち位置。システム会社と組んでビジネスをすることになるだろう」と話す。
日刊工業新聞2022年3月7日