繊維産地同士を結ぶ、クラボウのSDGsが生み出した実績

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裁断くずを新たな資源にするクラボウの取り組み「ループラス」を活用し、アップサイクルしたタオルと靴下

繊維産地同士の連携を仲介

クラボウはサステナブルな製品開発に向けて、繊維産地同士を仲介した連携を進めている。裁断くずを新たな資源にする同社の取り組み「ループラス」を活用。今治タオルの端材から作った糸で「奈良靴下」を生産するなど実績が出始めている。ループラスは、従来はクラボウと個別企業による1対1の取り組みだけだった。このループラスを基軸に繊維産地間の連携を促進することで、業界の活性化にもつなげる。

ループラスは、廃棄物から新たな価値を持つモノを作る「アップサイクル」の取り組みだ。2017年からスタートした。

クラボウの安城工場(愛知県安城市)に設けたループラス専用ラインで、繊維製品の生産工程で発生する端材から糸を紡績する。端材はいったん綿に戻し、品質を保つためにバージンコットンと混合して紡績する。バージンコットンと混合する割合を工夫しつつ、糸に戻していく点が技術力を要する。

今治タオルと奈良靴下の両産地の連携を仲介する取り組みは、クラボウが従来から両産地に糸を供給していたことがきっかけとなった。今治タオル工業組合に端材を回収してもらい、クラボウが端材から糸を作り、奈良県靴下工業協同組合の協力を得て同組合の加盟企業に供給する。

繊維製品の端材から作ったループラスの綿。今治タオルの端材も活用する

廃棄物の量を削減して有効活用できるだけでなく、「今治タオルからアップサイクルした奈良靴下」という今までにない繊維製品の展開にもつながる。コロナ禍で大きな打撃を受ける繊維産業において、新たな価値創造に期待がかかる。

地域の繊維産地では国連の持続可能な開発目標(SDGs)への認知が大手企業ほど進んでおらず、繊維業界全体でSDGsを推進するには、地域の繊維産地の理解や参画が不可欠だ。

直近ではループラスを軸にした産地間連携に播州織の4団体が加わり、より幅広い素材開発が可能になった。クラボウの小林靖弘繊維事業部繊維素材部長は「ループラスを大きな流れにしていきたい」と意気込んでいる。


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日刊工業新聞2021年12月28日

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