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ファシリテーターが選ぶ「2015年この3本」#14 爆買い小売り「春夏秋冬」

 2015年の流通業界はまさに〝爆買い〟に明け、爆買いに暮れた一年でありました。

 その恩恵を最大限受けた百貨店は軒並み業績が改善し前期、今期も第2四半期あたりまで好調を持続しています。爆買いの波はドラッグストアにも及んで、収益を拡大するチェーンも増えました。さて、中国経済減速により訪日外国人の伸びが懸念されるところでありますが、来年もこの流れが続くかどうか。そして訪日外国人は次はどこで何を買うかが焦点となりそうです。爆買いに隠れて目立たない国内消費ですが、実はあまり良好という声は聞かれません。17年には消費増税が待ち受けています。果たしてどうなるやら。

●銀座・免税店競争の勝算。百貨店も化粧品各社も“爆買い”に魅せられて
https://newswitch.jp/p/2801

 銀座地区の百貨店各社など大手流通業に加え、商業施設に免税店が入り16年から17年には訪日外国人獲得競争が激化します。もちろん訪日外国人にとって、これからも銀座は日本の有力な観光、ショッピングスポットであり続けることは間違いありません。しかし、やはり爆買いを繰り広げている中国からの観光客の動向が心配です。ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正社長は「中国は輸出主導から内需主導型経済への転換期」といい、今後も消費は盛り上がると予測しています。しかし、「銀座免税店オーバーストア」状態にならなければ良いのですが。

●ドラッグストアに“爆買い”の波が来た!
https://newswitch.jp/p/2704

 中国からの訪日客も中間層が拡大していることが、ドラッグストアに爆買いの波をもたらす背景になっているとみられます。百貨店ではあまり買えない、低価格の化粧品の品ぞろえや、何といっても医薬品が置いてあることが強みです。「メイドインジャパン」の神通力はこれからも続くのは間違いないでしょう。

●“爆買い青田買い”ビックカメラが中国・春秋航空と提携
https://newswitch.jp/p/3021

 国内で手をこまぬいているだけでは、これからは商売にならないということでしょう。ビックカメラが春秋航空と提携したり、百貨店の松屋が中国の銀行と組み、カード顧客に優遇策を始めました。中国現地企業とピンポイントで組むことで、訪日外国人を青田買い。訪日外国人が国内で買い物をする際は、すでに勝負ありという構図になるのでしょうか。




 
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
来年も流通のこれからを見つめていきたいと思います。

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