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パワー半導体「貼合・剝離」装置で世界シェア9割のタツモ、中国に組み立て工場の狙い

タツモはパワー半導体の生産工程でウエハーに支持体などを貼合・剝離する装置の生産を拡大する。パワー半導体メーカー各社が生産を増強する動きに対応。国内生産拠点を拡張し、中国ではノックダウン生産を始める。2021年12月期に約20億円だった貼合・剝離装置の販売額で3年後に約2・5倍の49億円を目指す。

パワー半導体の生産工程で使用される貼合・剝離装置でタツモは世界シェア約9割を握るという。21年には炭化ケイ素(SiC)ウエハー向けの装置も製品化している。

現在、岡山県井原市の工場で生産。約3億円を投じて生産スペースを拡張し、6月ごろの稼働を計画する。8月には中国浙江省紹興市に全額出資の現地法人TAZMO紹興科学を設立し、研究施設と製造ラインを設ける。主要な部品を日本から送り、中国で組み立て生産を始める。

タツモは21年12月期に売上高220億円と過去最高を更新。24年12月期までの中期経営計画で最終年度に同338億円を掲げる。


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日刊工業新聞2021年2月25日

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