物流施設の生産性3倍へ、旧東芝系が導入する「ロボットシステム」の実力

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注文された商品をバーコードでスキャンして確認・照合する

SBS東芝ロジスティクス(川崎市川崎区、佐藤広明社長)は北関東支店(千葉県柏市)にロボットシステムを2021年春に導入し成果をあげている。システムは棚搬送ロボット(AGV)20台、ワーキングステーション5基などで構成する。導入前と比べてピッキング作業で生産性を約2倍高めた。現在は3倍を目指している。(浅海宏規)

SBS東芝ロジスティクスは1974年に東芝グループの家電製品の輸送を担う物流企業として設立。現在は家電、半導体、医療・ヘルスケア、社会インフラ機器など幅広く取り扱う。20年11月から総合物流企業であるSBSホールディングスのグループ入りした。

北関東支店では、照明機器など東芝向けが全体の3割強で、残りは医療やヘルスケアなど、東芝以外の物流が占める。今回、ロボットシステムは日本シグマックス(東京都新宿区)の医療やヘルスケア製品を扱うエリアに導入した。

システムはAGVがピッキングをする棚を持ち上げ、ワーキングステーションまで自動で搬送する。作業者はロボットが運んできた棚から注文の商品を取り出し、バーコードでスキャンして確認・照合しながら段ボールに商品を詰め込む。

大野英俊物流改革推進部企画担当参事は、「ロボット導入に当たり、自社開発のシミュレーターで検証を進めた。約1400品種を格納しており、品質を確保しつつ入出庫ができる」と説明する。

AGVがピッキングする棚を持ち上げて、ワーキングステーションまで自動で搬送する

従来は作業者がピッキングリストに基づき、必要な商品が置いてある棚までカートを押して取りに行き、ピッキングをしていた。大竹裕司北関東支店主任は「これまでは作業者が台車を使って商品を取りに行く方法だった。このため、倉庫内が台車で“渋滞”してしまうことがあった」と振り返る。

床面に2次元コード(QRコード)を貼り付けておき、AGVが自動で最適なルートを通れるようにした。20台のAGVがスムーズに行き交い、棚エリアを無人化することで、新型コロナウイルスによる感染拡大防止対策にもつなげた。

AGVの1日当たりの取扱件数は現状約2000件で徐々に引き上げており、2800件を目指している。この結果、導入前と比べて生産性を入庫作業では約2割、ピッキング作業では生産性を約2倍に高めることができ、現在は3倍を目指して取り組む。

今後の課題について細野悟志物流改革推進部長は「AGVの生産性を上げていくことがポイントになる」と話す。ロボットが棚から何品目をピックアップできるかといった「ヒット率」を高めることで、作業のさらなる効率化を図っていく方針だ。

また、同支店では21年春に太陽光発電設備を導入。一連の取り組みは、環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の「自立型ゼロエネルギー倉庫モデル促進事業」に採択された。今後も生産性向上と二酸化炭素(CO2)削減に向けた取り組みを継続する。


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日刊工業新聞2022年1月25日

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