奥村組が有効性確認、工事現場の業務を効率化する「5Dシステム」ってなに?
奥村組とパスコ、ビーイング(津市)は、建設工事の3次元モデル(設計図)と工程情報、積算情報を一元管理できる「5次元施工シミュレーションシステム」を開発した。シミュレーション機能を搭載し、工事の進展状況とコスト情報を同じ画面上で確認できるため、施工計画の変更に柔軟に対応でき、工事現場の業務効率化につながる。3社は鉄道高架工事の現場で同システムを検証し、有効性を確認した。今後、実際の工事にシステムを適用してノウハウ蓄積やシステム改良を重ね、多様な現場に普及を目指す。
同システムはパスコの3次元データ統合ソフト「パダムス」をベースに、ビーイングの工程管理ソフトと積算ソフトを連携させた。個別ソフトから出力される積算、工程、構造物の3次元モデルをIDで関連付け、各情報を一元化し、時間軸で連動させられる。
容易な操作で施工計画変更時のシミュレーションも可能。
シミュレーション結果とコスト情報を円グラフで表示できるほか、月ごとの出来高や当初計画と実績の進捗(しんちょく)率をグラフ化して帳票に出力できる。
従来は、積算、工程、3次元モデルは別々のシステムで管理されることが多く、施工計画の変更に伴う各情報への反映に時間がかかる課題があった。
日刊工業新聞2022年2月17日