ニュースイッチ

前例ない研究、もみ殻のガラスから「シリコン量子ドットLED」を生み出した

広島大学が成功
前例ない研究、もみ殻のガラスから「シリコン量子ドットLED」を生み出した

もみ殻を原料にして作製したシリコン量子ドットLED(広島大提供)

広島大学自然科学研究支援開発センターの斎藤健一教授らは、もみ殻に含まれるガラス(SiO2)からオレンジ色に発光するシリコン量子ドットを合成し、シリコン量子ドット発光ダイオード(LED)の開発に成功した。量子ドットの発光効率は21%。LEDの大きさは2センチメートル角で、発光面の面積は4平方ミリメートル。シリコン量子ドット溶液や導電性の高分子溶液を基板に塗布して製造する。もみ殻中のガラスをLEDに用いた研究はこれまでなかった。

廃棄物の最先端デバイスへのリサイクル化や、安全安心で安価な光材料としての利用が期待される。

ガラスを含む植物にイネ科がある。コメのもみ殻の重量の約20%がガラスとされる。国際連合食糧農業機関(FAO)によれば、もみ殻は世界で毎年1億トン排出されている。だが、ガラスを多く含むため、その処理に苦慮しているという。

日刊工業新聞2022年2月11日

編集部のおすすめ