凹み部や斜・曲面でも印刷しやすい。吐出距離2倍の「産業用インクカートリッジ」開発
船井電機(大阪府大東市、板東浩二会長兼社長)は、インク吐出距離12ミリメートルの産業用の溶剤系インクカートリッジ「ザイオン=写真」を開発した。速乾性がある溶剤系インクに対応。カートリッジ本体の材質の工夫や2列のノズル(インクの吐出口)採用のプリントヘッドにより、同社従来品比2倍の吐出距離を実現した。これまで難しかった缶底など凹み部や斜・曲面への印刷がしやすくなる。
受注生産のため価格は明らかにしていないが、5月に量産を始める計画。2022年度に年間で約10万台の生産を見込む。
産業用インクカートリッジはシャンプーボトルや医薬品、食品のパッケージに消費期限などを印字する。曲面はバーコード印刷が難しいため、吐出距離の長いインクカートリッジが求められていた。
船井電機は13年、米社からインクジェットプリンターの事業譲渡を受け、プリントヘッド一体型インクカートリッジの開発・製造に取り組んでいる。
日刊工業新聞2022年2月10日