「子ども食堂」外国人版、大阪市で始める企業社長の思い
YOLO JAPAN(大阪市浪速区、加地太祐社長)は今春から、運営する外国人就労支援施設「YOLO BASE」(同浪速区)で、市内在住の外国人向けに食事を無料提供する取り組みを始める。いわゆる「子ども食堂」の外国人版。月1回、100人程度の受け入れを想定する。外国人の採用を検討する企業に同席してもらい、採用活動の場としても役立てる。
長引くコロナ禍で外国人労働者を取り巻く環境は悪化している。厚生労働省の発表によれば、2021年10月の外国人労働者数の対前年増加率は製造業がマイナス3・4%、卸売業・小売業がマイナス1・3%などマイナスとなっている。勤務先の都合で職を失っても「帰国できず仕事もない」(加地社長)事例が増加し、地域の子ども食堂に顔を出す外国人の姿も多く見られるという。
外国人食堂への参加はYOLO JAPANが発行する外国人向け後払いカード「YOLO CARD」への加入が条件。企業へ支援物資の提供を呼びかけるほか、採用担当者に同席してもらい、その後の採用活動へつなげる。日本語講座の実施やゴミ出しなど生活に関わる情報の提供も行う。加地社長は「近所の人の助けが勇気につながるように、外国人にも助けてくれる存在が必要だ」と話している。
YOLO JAPANは就職支援や福利厚生代行サービスなどの在日外国人向けサービスを手がけ、運営する求人メディアの外国人登録者数は20万人を超える。外国人食堂は状況を見て頻度や受け入れ人数を増やす予定で、「ノウハウを積み他の地域へも広げる」(同)方針だ。
日刊子業新聞 2022年2月3日