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半導体装置2割増産、SCREENが100億円投資を決断した理由

SCREENホールディングス(HD)は彦根事業所(滋賀県彦根市)に半導体製造装置(SPE)の新棟を建設、2023年1月に稼働する。増員に伴う厚生施設などを含め投資額は約100億円。同4月をめどに本格稼働の予定で、彦根全体のSPE生産能力は売り上げベースで現状比2割増の年4200億円を見込む。世界的な半導体不足を受け足元の旺盛なSPE需要に対応しつつ、中長期の成長を見据え投資に踏み切る。

新棟「Sキューブ4」の延べ床面積は約9625平方メートルで、稼働に合わせ増員も予定する。枚葉式洗浄装置の主力生産棟「Sキューブ3」に連結させ、装置やユニットの出荷前洗浄工程を担い、構内フローをシームレスにつなぎ生産効率を改善する。

生産能力拡充に伴う廃液処理設備の拡充や既存設備の改修なども計画。増員に伴い、現状では手狭だったカフェテリアや従業員駐車場なども増設する。

SCREENHDの21年10―12月期のSPE受注高は、1015億円と四半期ベースで過去最高となった。台湾や北米向けが好調で半導体受託製造(ファウンドリー)からの引き合いが強く、メモリー向け、ロジック向けの売り上げが大幅に伸びた。引き続き大手デバイスメーカーなどの高水準の設備投資が続くとみて、能力増で需要を取り込む。

日刊工業新聞社2022年1月31日

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