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偽造防止タグなどに提案へ、透明樹脂にグラフェン量子ドットを描画できるスゴいレーザー技術

偽造防止タグなどに提案へ、透明樹脂にグラフェン量子ドットを描画できるスゴいレーザー技術

グラフェン量子ドットで描いた2次元コード(慶大提供)

慶応義塾大学の林秀一郎大学院生と常光兼人大学院生、寺川光洋准教授は、透明樹脂にレーザーでグラフェン量子ドットを描画することに成功した。グラフェン量子ドットは黒色。紫外光を当てると青い蛍光を発する。樹脂中に3次元的な蛍光パターンを描ける。偽造防止タグや光学デバイスなどに提案していく。

透明なシリコーン樹脂のPDMSに超短パルスレーザーを照射する。するとPDMSが光解離で分解して黒鉛質炭素が生じる。フレーク状のグラフェンが炭化ケイ素結晶の熱分解を経てグラフェン量子ドットができると考えられる。

グラフェン量子ドットは紫外光や可視光を吸収して青色の蛍光を発する。実際に青い蛍光で2次元コードを描くことに成功した。目には一様に黒く見えるが蛍光のコードが浮かび上がる。PDMS表面から0・5ミリメートルの深さまで描画できた。立体的な量子ドット配置が可能。今後、量子ドットの粒径制御などで発色を増やしていく。

日刊工業新聞2022年1月28日

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