基板占有面積6割減のウェアラブル端末ターミナル、SMKが売上30億超狙う
SMKはコネクターの一種であるターミナルで、基板占有面積が同社従来品より約6割小さい新製品を開発した。第5世代通信(5G)に対応するため、携帯端末の部品点数は増加傾向にあり、部品の小型化要求が高まっていることに対応する。こうした需要を取り込み、スマートウオッチなど小型ウエアラブル端末向け製品の売り上げを2023年度に21年度(計画)比約8割増の31億円に増やす。
ターミナルは内部にスプリングを備えた金属製の電子部品。デジタル機器の内部で、アンテナなどと基板を接続する役割を担う。
13日に発表したターミナルの新製品「ウルトラ・スモール・ターミナルシリーズ」は材質や形状などを工夫することで、幅0・9ミリメートル、長さ1・8ミリメートルと、同社の既存のターミナル(RTシリーズ)に比べ大きさを約60%縮小。「業界最小」(同社)の基板占有面積を実現した。スマートフォンや、スマートウオッチなどの小型ウエアラブル機器を中心に、23年度までの累計で2億個の販売を見込む。
SMKは21年5月に発表した中期経営計画で、注力する新市場としてCASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)などとともにウエアラブルを挙げた。21年度は31億円を予定する新規製品の売り上げを、中計最終年度の23年度に全社の約24%に相当する147億円まで高めたい考え。このうちウエアラブル向けは31億円と、CASE向け(57億円)と並ぶけん引役を期待する。
日刊工業新聞2022年1月14日