奈良先端大が成功、溶媒添加剤の働きをナノレベルで可視化

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高分子太陽電池に使用する溶媒添加剤。これまで溶媒添加剤の働きは十分に解明されていなかった(奈良先端大提供)

奈良先端科学技術大学院大学の辨天(べんてん)宏明准教授らは、高分子太陽電池で使用する溶媒添加剤の働きをナノレベル(ナノは10億分の1)で可視化することに成功した。走査型プローブ顕微鏡を活用し、太陽電池内を流れる光電流を測定する。溶媒添加剤の働きの可視化はスクリーニング(選別)を容易にするほか、現状で使用されるよりも高機能な添加剤を選択する際に役立つことが期待される。

高分子太陽電池は変換効率を高めるため、製膜溶液に溶媒添加剤を1%(体積比)程度加える手法が頻繁にとられている。経験的に使用されているが、どのような作用のもとで機能が高められていたのかこれまで解明されていなかった。

測定にあたり顕微鏡で使用するプローブに金を塗布し、大きな金の電極を持つ太陽電池と同様の環境を構築した。

これにより従来の測定では情報の平均値を得られるのみだったが、1点ごとの細かな情報を取り出せた。

添加剤を加えた太陽電池では共役高分子で構成された膜構造の秩序化が進行し、50ナノ―100ナノメートルの大きさのものが膜の中のいたるところに出現しているのを確認。生成した電荷を外部電極に効率よく輸送するネットワークがナノスケールで形成していると結論づけた。

成果は米化学会の「ACSアプライド・ポリマー・マテリアルズ」オンライン版に掲載された。

日刊工業新聞2021年12月29日

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