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富士フイルムBIが病院向け複合機で攻勢、狙う経営資源の有効活用

富士フイルムBIが病院向け複合機で攻勢、狙う経営資源の有効活用

富士フイルムの医療機器を扱う代理店で複合機などの出力機の取り扱いを始める(富士フイルムBIの複合機)

富士フイルムビジネスイノベーション(BI)の真茅久則社長は日刊工業新聞の取材に応じ、2022年度にも、富士フイルムの医療機器を扱う代理店で複合機などの出力機の取り扱いを始めるとの方針を示した。富士フイルムが持つ世界販売網を生かし、病院向けに出力機の導入を提案する。

在宅勤務の定着化などで印刷量の減少が見込まれるオフィスと比べ、病院ではカルテの印刷など印刷量は減らないとみる。富士フイルムとの連携強化により、経営資源を有効活用したい狙いもある。

富士フイルムBIは現在、代理店を通じて出力機の販売・保守を行う際、主に事務機器の専門代理店を通じて行っている。今後は、X線画像診断、内視鏡、超音波診断など富士フイルムが手がける医療機器を扱う代理店でも、プリンターや複合機などの出力機の販売・保守を行えるようにする。

真茅社長は「トレーニングすればメディカル担当者が当社の出力機を修理することも可能」と話した。今後、医療機器の販売・保守を行う人材に、出力機の販売・保守の研修を施す可能性がある。

富士フイルムBIにとって、こうした富士フイルムとの連携強化は、海外進出を進める上でもプラスに働きそうだ。

富士フイルムBIは、4月1日に社名を「富士ゼロックス」から変更。米ゼロックスと交わしていた技術契約を3月末で解消したのを機に、販売エリアの住み分けで進出できなかったアジア太平洋以外の地域にも参入できるようになった。11月に市場参入したバングラデシュでは、元々富士フイルムの医療機器を取り扱っていた代理店で、複合機・プリンターの販売・保守を手がけている。

日刊工業新聞2021年12月29日

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