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SDGsを商品化した「次世代突板」、佐賀の製材所社長が語る誕生の背景

SDGsを商品化した「次世代突板」、佐賀の製材所社長が語る誕生の背景

スキンウッドによるSDGsの取り組みが、21年度中小企業白書に取り上げられたと喜ぶ中村社長㊨と古賀営業部長

内装材に「国際認証」材使用

次世代突板(つきいた)「SKINWOOD(スキンウッド)」は、まさに国連の持続可能な開発目標(SDGs)を商品化したものだ―。中村製材所(佐賀市)の中村展章社長は胸を張る。

スキンウッドは、森林に負荷をかけない直径20―30センチメートルの小径木をつなぎ合わせた集成材を、厚さ0・25ミリ―0・5ミリメートルにスライスした製品。同社が独自に開発し、特許なども取得した。天然木材に由来する従来の突板と異なり、壁紙でしか表現できなかった美しい意匠を表現できる。不燃や抗菌、抗ウイルスなどの性能も持つ。

スキンウッドを壁面に利用した佐賀市役所正副議長応接室

同社は1990年代後半から木材の利活用というテーマに取り組む。06年に国際的な森林認証制度である森林管理協議会(FSC)認証を取得。中村社長は「この流れの中、課題解決の一つの方法としてスキンウッドが生まれた」と振り返る。

FSC認証材の内装材への使用は「森林の植林、保育、伐採など適切なサイクル利用により森林資源の保全や環境保護に貢献できる」(中村社長)。佐賀県庁の知事室や佐賀市役所の正副議長応接室、電気ビル共創館(福岡市中央区)の内装材にも採用された。

同社の古賀晋一郎執行役員営業部長は「地方創生や地域経済活性化の取り組みでもある」と強調する。熊本県や佐賀県の杉やヒノキなど地域産の木材を用いたことで地域ブランド化に結びついた。人や社会、環境などに配慮した製品やサービスを選んで消費する倫理的(エシカル)消費へのつながりも期待される。

同社には「どうやったらSDGsを実践できるのか」といった問い合わせも多い。佐賀銀行や佐賀大学、九州経済産業局などで取り組みの講演や勉強会を実施している。

10月に木材の利用促進に関する法律が改正された。脱炭素社会実現に向けて木材利用が民間の建築物へも拡大促進される。「今後、脱炭素問題にもスキンウッドで解決に向けて取り組み、事業にまい進する」(中村社長)考えだ。

日刊工業新聞2021年11月16日

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