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深紫外線にコロナ不活化の効果有り。殺菌用光源で応用へ

深紫外線にコロナ不活化の効果有り。殺菌用光源で応用へ

波長275ナノメートルのDUVLED(ナイトライド提供)

ナイトライド・セミコンダクター(徳島県鳴門市、村本宜彦社長)は、国立病院機構仙台医療センター(仙台市宮城野区)と共同で、深紫外線(DUV)領域の波長が現状の殺菌用で使う水銀光源と同等の不活化効果があることを確認した。DUV波長を用い、OC43コロナウイルスに対する不活化の検証を実施し、結果を得た。両者はDUVを用いた発光ダイオード(LED)が、医療分野などで使われる殺菌用光源で応用できるとみている。

ナイトライドなどは光源として波長222ナノメートル(ナノは10億分の1)のエキシマランプ(放電ランプ)、波長254ナノメートルのUV(低圧水銀)ランプ、波長275ナノメートルのDUVLEDを用意。各光源の照度に応じて対象物に照射する時間を調整し、照射光のエネルギー量が同一になるようにした。光源から対象物の距離は500ミリメートルと長めに設定、実践的な不活化効果を得られるように配慮した。

今回、波長275ナノメートルのDUVLEDは254ナノメートルの殺菌用光源と同等のOC43コロナウイルスの不活化効果を確認した。この結果から、ナイトライドの村本社長は「低圧水銀ランプの代替となる殺菌用光源としてDUVLEDがその役割を十分に担えることを示す」とする。

ナイトライドは2000年設立。UVLEDの製造・販売を手がける。

日刊工業新聞2021年12月17日

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