4ヶ月連続の貿易赤字、輸入額が過去最高になった背景
財務省が発表した11月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、9548億円の赤字となり、4カ月連続の赤字だった。エネルギー価格の高騰で原粗油や液化天然ガスなどの輸入額が増加し、輸入額が輸出額を上回った。輸入額は前年同月比43・8%増の8兆3218億円と、10カ月連続の増加。統計の比較が可能な1979年1月以降では2014年1月の8兆470億円を上回り、過去最高となった。
輸入額では、原粗油は同2・3倍、液化天然ガスは同2・4倍と増えた。
輸出額は同20・5%増の7兆3671億円と、9カ月連続で増加した。鉄鋼は同87・8%増、半導体等製造装置は同44・7%増、半導体等電子部品は同20・8%増と伸びた。
地域別では米国向け輸出が同10・0%増の1兆2991億円と2カ月連続の増加。米国からの輸入は同43・0%増の8558億円となり、9カ月連続で増加した。建設用・鉱山用機械や半導体等製造装置の輸出が増加した。また医薬品や航空機類などの輸入が増えた。
欧州連合(EU)向け輸出は同16・4%増の6527億円で9カ月連続の増加。EUからの輸入は同39・3%増の8849億円となり、9カ月連続で増加した。
中国向け輸出は同16・0%増の1兆5772億円で、17カ月連続の増加。中国からの輸入は同17・2%増の1兆9793億円だった。衣類・同付属品や有機化合物などの輸入が増えた。
日刊工業新聞2021年12月17日