四国5大学が教員養成で連携へ、全国の大学から注目されそうなポイント

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四国の5大学が教員養成課程などで連携する「四国地域大学ネットワーク機構」は、文部科学大臣による「大学等連携推進法人」認定を2021年内にも申請する。徳島大学など4県4大学と鳴門教育大学の間で、教員免許取得に必要な科目の一部を共有する「連携教職課程」の整備中だ。各県教育委員会や各大学の方針や特色を生かしながら、実技の合同授業などを行う広域分散協働型モデルで、教育学部系を持つ大学の注目を集めそうだ。

大学生が小中高などの教員免許状を取得するには各教科の専門的科目、教育の制度や生徒指導など教職的な科目、教育実習などの学びが必要だ。免許教科が美術なら絵画や彫刻、デザイン、工芸、美術理論・美術史などあるが、運営費交付金削減で教員が減り、1大学でカバーできない問題が生じつつある。

21年3月発足の同機構は、教員養成大学の鳴門教育大学を事務局に教員養成を行う徳島大学、香川大学、愛媛大学、高知大学が連携する。さらに大学等連携推進法人に認定されると、同法人内の他大学の科目受講で単位認定が可能になる。

加えて同ネットワークは同法人の特例で、他大学から8単位以上を修得する連携教職課程の確立を掲げている。これに向け各大学・科目の事情に合わせ、中学校の美術と家庭、高校の情報で連携計画を詰めている。

例えば美術科では5大学のうち徳島大、香川大、鳴門教育大が参加。オンデマンドの教材作成や著名作家の招聘(しょうへい)を企画している。各地の美術館を活用したワークショップ体験など、学生が共同で取り組むことも検討している。

同法人の活用は山梨大学・山梨県立大学のグループに次ぐ2番手。広域ブロック型という点が目を引く。また教員養成課程の連携手法には、2大学で一つの課程を作り直すものもあるが、四国方式は各大学や教員の強みを生かせる点が強みとなっている。

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日刊工業新聞2021年12月16日

COMMENT

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

5大学連携は現場の多様性を考えると、容易でないのは当然だ。新たな取り組みを無理のない形で始めて、効果を見ながら広げることになるだろう。実際、小中高×各教科×2-5大学という、考え得る多数の組み合わせのごく一部からのスタートだ。私が注目するのは、22年度からプログラミングなど必修となる「高校の情報科」だ。情報の教員免許を持つ専任の教諭は、全国の高校の2割でしかない。県の教育委員会など、情報の教員増に前向きになったとしても、その人材を育てる大学側の教員不足がボトルネックとなる。そのため四国5大学の取り組みは、情報科の教員養成での連携効果がまず、全国の大学から注視されるのではないだろうか。

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