「AI・DS教育」学んだ学生にデジタル証明書を発行する法政大の狙い
法政大学は全学部共通の科目「数理・データサイエンス・AIプログラム」や各「サティフィケートプログラム」を学んだ学生に、デジタル証明書の「オープンバッジ」を発行する。一般財団法人「オープンバッジ・ネットワーク」によるもので、学生が身に付けた能力や知識を多様な機会で公式に示すことができる。就職活動などで活用でき、学習意欲の向上につながるとみている。
法政大のサティフィケートプログラムは、他学部生も学べる公開科目制度を発展させたもの。学生は専門と異なる学際的なテーマを体系的に学べる。現在、国連の持続可能な開発目標(SDGs)、アーバンデザイン、ダイバーシティーの3つがある。オープンバッジの発行は当初、計4つだが拡充の方針だ。
同大は、教育プログラム単位の修得状況を示す従来の「成績証明書型」から、学生がどのような能力を修得したかを示す「学修歴型」へ転換を進めている。オープンバッジはこれを対外的に示すツールとなると同時に、学内のデジタル変革(DX)の象徴にもなる。
オープンバッジ・ネットワークのオープンバッジは国際標準規格だ。バッジを電子履歴書やメールに貼ることで、個人が学んで身に付けたスキルを示す電子的な証明書として、多くの組織で機能する。多様な教育機関から得たバッジを統一管理し、生涯に渡る学修履歴を残すことで優れたキャリアの構築に役立つとされている。
日刊工業新聞2021年12月9日