マツダが提案、障がい者も健常者も運転できる「福祉車両」の仕組み
マツダは、始動時の操作で手動運転とペダル運転を簡単に選択できる福祉車両「MX―30SeDV」の予約受注を始めた。1台で下肢障がい者も健常者も運転できる。ユーザーが自分の意志で移動したり、行動したりすることをサポートする選択肢の一つとして提案する。
同社のスポーツ多目的車(SUV)「MX―30」に独自開発した手動運転装置を取り付け、SeDVとして展開する。取り付け費を含む同装置の価格は、52万8000円。福祉車両の助成金や減免措置などを利用すると、標準タイプのMX―30の購入価格と同程度になるという。2022年1月以降の発売予定で、販売目標は明らかにしていない。
商品名のSeDVは「Self―empowerment Driving Vehicle(セルフエンパワーメントドライビングビークル)」の略。専門知識を備えたスタッフが、オンラインで個々の要望に合った装備を提案・架装する。
アクセルは、ハンドルの内側にあるアクセルリングを押して加速。ブレーキは、運転席左側にある押し込み式のレバーブレーキを操作する。アクセルリングには反力に段差を設け、細かい操作や定速の維持をしやすくし、一時的に片手を離すことができる。レバーブレーキには、肘を支えるブレーキサポートボードを用意し、細かな操作や安定したブレーキ操作を実現した。
日刊工業新聞2021年12月10日