ストレスだけじゃない、眼精疲労の原因とその調べ方

おすすめ本の抜粋「眼科119番 第3版 一家に一冊…目の薬箱」

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眼精疲労

Q.目がいつもとても疲れます。何かよい治療方法はありますか。
A. 治療法は疲れ目(眼精疲労)の原因によって違います。まずは、なぜ目が疲れるのか原因を突き止めることが大切です。

疲れ目になりやすい現代社会

最近、電車に乗ると、小学生から大人までスマートフォンの画面を見つめているのを見ます。また、家に帰るとパソコンを使ってインターネットで情報検索をしたり、メールを書いたりと、現代はますます目を酷使せざる を得ない状況になりつつあり、このような質問をよく聞きます。まず眼精疲労には生理的な疲労と病的な疲労があります。生理的なものというのは誰もが感じることですが、長時間テレビや映画を見たり読書をしたりして目が疲れたと感じるもので、しばらくの間目を休めることで疲れは解消されます。

眼精疲労の原因

眼精疲労といっても原因は様々で、大きく分けて三つあります。①目が原因で起こるもの、②外の環境が原因のもの、③全身、心理的要素が原因で起こるものです。これらの原因が絡み合って一つの症状をつくり出していることが多く、原因を突き止めるのは容易ではありません。私なども眼科医になりたてのころは目が疲れて疲れてしょうがなかったことを覚えています。眼科は皆さんが思う以上に目を酷使する科であり、最初のころは未熟なので、一人の患者さんを診るだけで目を必要以上に長く使い、また、間違って診断したらどうしようかと精神的ストレスが大きく、今考えると前述した②、③の条件を満たしていたなあと思います。

まず何が原因かを突き止め、それに対する方法をとることが重要だと思います。最もよくあるのがメガネ、コンタクトレンズなどが合っていないことです。とくに最近は使い捨てのコンタクトレンズを使われる方が多く、少し見えにくいということだけで度数を上げていくと、過矯正(かきょうせい)といった状態になることがあります。この状態だと常に目の中のピント合わせをする筋肉を使用して物を見なくてはならず、これに長時間の近くを見る作業が加わったりすると眼疲労感として自覚することがあります。この場合は眼科で目の調節力を取り除いて行う検査で分かります。

目が原因で起こるものとしてドライアイがあります。ドライアイの人は目を使うと瞬きの回数が減り、さらに目の表面が乾きやすくなるので、正常の人より眼疲労感が起こりやすいです。また、緑内障のような視野(物の見える範囲)が欠けてくる病気があると疲れ目になりやすいと言われています。後で述べるVDT作業は②に当てはまる眼精疲労の原因の一つです。③は体力が消耗してしまうような全身疾患や、精神的ストレスなどが関与します。このように原因は多様で、しかもそれが複雑に絡んで起こるのが眼精疲労です。

何を調べるか

これに対する眼科の検査としては視力検査、屈折検査、調節検査、眼位検査などがあります。視力検査は裸眼視力、矯正視力、今持っているメガネなどでの視力を測り、今使っているメガネやコンタクトレンズの度数が適正かチェックします。屈折検査は目の緊張を除く目薬を使って本来の眼の屈折(近視や遠視の度数)を計測します。これによって隠れた遠視などがないか調べます。遠視は目の中の筋肉を使うことで見かけ上は遠視がないように見えることがあり、その場合はいつも目の中の緊張が続いていることになり、疲労の原因となります。目の中の筋肉の緊張を調べることもできます。眼位検査とは目の向きを調べる検査です。これは目の向きがずれていると、それを修正するのに無意識に努力するために知らない間に目が疲れてしまうからです。そのほかの検査として眼科一般の検査で眼圧測定や、眼底検査を行い、これによって緑内障が発見されることもあります。治療ですが、やはりその原因を除去する方法が必要で、一つの目薬でパッと解決してしまうようなものはありません。

目の疲れをとろう!

●目が疲れてショボショボします。どうしたらよいでしょうか?
 

細かい作業をしたり、パソコンでの作業を長時間した後などは目がショボショボしたりするものです。血液の循環が悪くなっているサインです。そんなときは熱めのお湯でお絞りをつくり、目をパックしてみましょう。お風呂に入りながら蒸しタオルで目を温めてみてください。血管が広がり、血行をよくします。楽になりますよ。

(「眼科119番 第3版 一家に一冊…目の薬箱」p.188-191より抜粋)

<書籍紹介>

ディスプレイを見る機会が多い現代人の眼は、常に酷使されている。加えて高齢社会を迎え、白内障や緑内障といった加齡性疾患の問題もクローズアップされている。本書では、身近な眼疾患や日頃目について抱く疑問などをQ&Aでやさしく解説。近視矯正手術や最先端治療についても詳細情報を提供する。

書名:眼科119番 第3版 一家に一冊…目の薬箱
編著者名:中村友昭
著者名:名古屋アイクリニック、中京グループ眼科医師
判型:四六判
総頁数:268頁
税込み価格:1,650円

<執筆者>
中村友昭(なかむら ともあき)
所属 名古屋アイクリニック院長
専門領域 角膜疾患、ドライアイ、屈折矯正手術
現在の研究分野 屈折矯正手術における視機能

<販売サイト>
Amazon
Rakuten ブックス
日刊工業新聞ブックストア

<目次(一部抜粋)>
Ⅰ 目の仕組み
Ⅱ よくある眼疾患から緊急疾患まで
緊急疾患/よくある眼疾患/子どもの眼疾患/若者に発症する目の病気/加齢性疾患
Ⅲ 屈折異常
Ⅳ その他の目の疾患と検査
目と全身疾患/現代人と目/スポーツと目/眼科の検査
Ⅴ 眼科治療最前線

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