次世代エンジニアを育成、ヤマハ発動機が考えるモノづくりのけん引に必要な素養
ヤマハ発動機は、次世代エンジニアの育成に注力している。同社従業員の親子を対象にした「キッズプログラミング教室」ではプログラミングの基礎や楽しさを学んでもらう。2022年からは地域の子どもも参加できるようにする。また小学生対象のプログラミング大会などに協賛している。モビリティーとロボティクスの両方を事業展開するメーカーとして、動くモノと動かす制御の難しさ、面白さを伝える。
キッズプログラミング教室では、子どもたちがロボットカーを走らせる。あらかじめ設定されたコースで速度や距離、曲がる角度などを計測して集計し、プログラミングする。
プログラミングにミスがなかったとしても、機材のバラつきや電池の消耗度、タイヤとコースの摩擦の変化といった小さな“誤差”の積み重ねで、思うように走らないことが多々あるという。「メカトロニクスだけでも、プログラミングだけでもだめ。その難しさと楽しさを感じてもらう」と同社コーポレートコミュニケーション部の担当者は説明する。
またヤマハ発は、ジュニアプログラミング推進機構が主催する小学生対象のプログラミング大会「ゼロワングランドスラム(ゼログラ)」や、静岡県主催のキッズプログラミング大会、次世代人材プログラミングキャンプなどに協賛している。ゼログラは12月に予選が始まり、22年3月に東京で決勝大会が開かれる予定。
「プログラミングに親しめば、空想していた世界を実現できる。楽しさ、面白さを伝えるために活動を広げたい」(同社コーポレートコミュニケーション部の担当者)と狙いを語る。
かつてモノづくりはメカの占める割合がほとんどだったが、現在はメカと制御の組み合わせが重要になっている。「メカと制御の両方を理解できるエンジニアがこれからのモノづくりを牽引する」(同)。ヤマハ発は、そうした次世代エンジニア育成の入り口として、プログラミング教室などの取り組みを活発化していく。