硫化物系「全固体電池」量産技術確立へ、電解質の液相合成で溶媒極性の重要性を実証

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豊橋技術科学大学の蒲生浩忠大学院生、永井篤志特任准教授、松田厚範教授らは全固体リチウムイオン電池用固体電解質の液相合成において、誘電率から決まる溶媒の極性が重要な役割を果たすことを実証した。固体電解質の有力候補とされる「Li7P3S11」の液相合成の溶媒にはアセトニトリル(ACN)が最適だと分かった。硫化物系の全固体電池の量産技術の確立につながる。

全固体電池の実用化には、高イオン伝導性を示す硫化物固体電解質の大量合成が求められる。液相合成は低コストで有力な合成方法とされるが、溶媒が合成に与える影響はよく知られていなかった。

そこで研究グループは物理的・化学的特性の異なる8種類の有機溶媒を選び、Li7P3S11の液相合成における反応への影響を調べた。その結果、高い誘電率を持つ有機溶媒を使う方がより高い導電率を得られる傾向があることが分かった。

中でもACNはチオリン酸リチウムの反応性を高め、高伝導性を持つ結晶性Li7P3S11を形成することが分かった。ACNは低沸点で乾燥処理にも適している。


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日刊工業新聞2021年11月23日

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