世界で初めて有機半導体の塗布膜で光の変換に成功、太陽電池の効率向上へ

分子科学研究所がフレキシブル基板上で実現

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写真はイメージ

分子科学研究所の伊沢誠一郎助教と平本昌宏教授らは、有機半導体薄膜の界面で目に見えない近赤外光からエネルギーの高い黄色の可視光へ変換することに成功した。固体中の変換効率としては約100倍に向上した。太陽電池の効率向上やセンサーなどへの利用が期待できる。

基板上に感光体と発光体を成膜し、感光体と発光体との界面で光の変換を起こす仕組み。まず感光体に近赤外光が吸収され励起子が発生する。励起子は感光体層を拡散し、界面に達するとプラスとマイナスの電荷に別れる。それぞれが界面で再結合すると三重項励起子が発生する。二つの三重項励起子は一つの高エネルギー励起子なり、エネルギーの高い黄色い光となる。

変換効率は2・3%で従来の0・02%から大幅に向上した。フレキシブル基板上で有機半導体の塗布膜で光の変換を成功させたのは世界初という。

従来は溶液中の変換が中心だった。有機太陽電池の性能向上につながる。

日刊工業新聞2021年11月19日

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