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サッポロが日本IBMと共同開発、「そのまま飲めるアルコール飲料」のレシピを作成するAI

サッポロビールと日本アイ・ビー・エム(IBM)は、人工知能(AI)を活用したRTD(そのまま飲めるアルコール飲料)のレシピ作成システムを開発した。新商品のコンセプトを元にした香味の特徴などプロファイルを入力すると、レシピ案が出力される。レシピ作成は経験や技術に頼る作業で、テスト運用の結果、作業時間が50%以下になることが分かった。テスト運用の結果を踏まえ、2022年の実装に向けて、協議を進める。

開発したシステムは、商品開発のアルゴリズムを作成するため、過去のレシピの官能評価データと採用された香料の情報をAIが学習。次に立案された新商品コンセプトを元に香料の特徴と目標とするプロファイルを画面に入力すると、AIが学習したデータを基に分析する。その結果、目標とするコンセプト、香味プロファイルに合致するレシピを出力する。

サッポロビールでは、システムの導入により、レシピ作成を効率化するほか、技能伝承をスムーズにする。また、膨大な配合データを駆使した新たな味作りなど、従来の手法ではできなかった新規性のあるレシピの開発につなげる。

日刊工業新聞2021年11月10日

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