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マツダが22年に車両導入、ドライバーの異常を検知して危険を自動回避する技術の全容

マツダは、ドライバーの異常を検知すると、自動で危険を回避する高度運転支援技術(ADAS)「マツダ・コ・パイロット・コンセプト」を開発した。体調不良や居眠りなどドライバーの状態変化を捉え、高速道路や一般道でシームレスに減速停止などの運転支援に移り、ドライバーや周囲の安全を守る。2022年から車体の大きなラージ商品群の車両に導入する。

マツダ・コ・パイロットは、車内カメラでドライバーをモニターする。同カメラなどを使い「ドライバーの通常の状態を学習」(栃岡孝宏マツダ・コ・パイロット・コンセプト開発主査)する。ドライバーの姿勢の崩れ、視線や頭部の挙動、ハンドルやペダル操作量など、通常の状態からの差分を見て異常かどうかを総合的に判断する。

例えばドライバーが眠気に襲われている場合は、アラームで知らせる。ドライバーが運転を継続できないと判断すると、ウインカーやホーンなどで周囲に異常を知らせながら、車を止め、安全を確保する。高速道路では、車線維持停止または路肩へ退避する。一般道では、異常検知時に車線を維持し停止する。

25年以降には、脳科学的な知見を生かしたマツダ・コ・パイロット「2・0」を導入する。視線の動きなどの情報から、ドライバー状態変化の予兆を検知する。高速道路では車線変更し、路肩や非常停止帯などより安全なスペースに移動する。一般道では、より安全な場所に退避する技術へと進化させる。

交通事故総合分析センターの「交通統計」によるとドライバーの急な体調変化による事故の95・8%は、時速60キロメートル以下で起きている。体調急変時、高速道路だけでなく一般道でもドライバーの体調急変に対応できるかが、ADAS開発の課題の一つになっている。

日刊工業新聞2021年11月5日

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