海水で50ワットの電力を80時間供給できる「水発電機」が面白い
E.F.E(東京都港区、千葉卓弥社長)は、海水など塩水で発電できる水発電機「ENECTRON=写真」を発売した。2・5リットルの海水を入れた場合、50ワットの電力を約80時間供給可能で、低電力の場合は100時間ほど供給できる。重量6キログラムと軽いため災害現場や野外キャンプなどに持ち込みが容易。静音のため住宅街でも迷惑がかからない。消費税抜きの価格は30万円程度。自治体などへ拡販する。
外形寸法は縦260ミリ×横190ミリ×高さ330ミリメートル。中にマグネシウム合金製のパワープレートが5枚入っており、これを陰極にし、上部の給水口キャップから海水など塩水を注ぎ、電気分解で発電する。
避難所などで使う発電機は重油燃料がほとんどで、発電時に大きな音やにおいを出す。水発電機は音が静かな上、周囲の空気が汚れることもないため「病人や幼児がいるような場所でも発電できる」(石川忠会長)。
携帯サイズで持ち運びが容易なため、通常の発電機では想定しなかったさまざまな場面で使用できる。「島しょ防衛の無線通信機の電力用に使えないかと問い合わせがある」(同)ほか、飛行ロボット(ドローン)の充電用にも引き合いが来ているという。
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日刊工業新聞2021年10月28日