富士電機が本格展開する「とろみ飲料自動調理機」で狙う顧客

  • 0
  • 0
とろみ飲料調理機。介護負担軽減につながる、とろみ飲料の調理自動化ニーズは高い

富士電機は、高齢者の誤嚥(ごえん)を防ぐとろみ飲料自動調理機の本格展開に乗り出す。老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を主な顧客とし、飲み物にとろみをつける作業の自動化で介護者の負担軽減や衛生対策につながる。国内の新型コロナウイルス感染状況が落ち着いてワクチン接種も進んだことから、訪問を伴う営業活動を再開する。2023年度までに累計3000台以上の販売を目指す。

富士電機初のとろみ飲料自動調理機はカップ式自動販売機や給茶機で長年培った技術をベースに開発した。3段階のとろみ粘度と、緑茶など飲料の種類をボタンで選ぶだけで、安定した品質のとろみ飲料を提供できる。1カップごとの調理時間が約60秒と手作業と比べて半減するという。

調理機内部でカップに緑茶などの原料と水・湯を順番に入れて、棒状の器具でかき混ぜる仕組み。全ての作業が密閉空間で行われるため衛生的だ。施設入居者60人の4割がとろみ飲料を毎食飲む場合を想定すると、1日当たりの作業時間が手作業比で約5分の1に削減できると試算する。製品価格は個別見積もり。

富士電機は20年3月にとろみ飲料自動調理機を発売したが、新型コロナウイルス感染拡大時期と重なったことで老人ホームなどに対して訪問を伴う営業活動を進められなかった。新型コロナ感染状況が改善し、9月末で緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が解除されたことから、今後、顧客への売り込みを本格化する。

日本は少子高齢化が加速し、介護人材の不足が深刻化。コロナ禍も相まって介護従事者への負担増加が社会問題となっている。高齢者の誤嚥性肺炎を予防するため、介護士らが粘度の調節や温度管理に注意しながらとろみ飲料を手作りしているケースが多いという。富士電機は今後、とろみ飲料自動調理機の需要がさらに拡大すると予想する。

日刊工業新聞2021年10月8日

キーワード
富士電機 高齢者 介護

関連する記事はこちら

特集