愛知の自動車部品メーカーが確立、樹脂端材を内装部品に再利用する技術の仕組み
三井屋工業(愛知県豊田市、高橋直輝社長)は、材料配合の異なる自動車部品の樹脂端材を混ぜ合わせて加工し、再利用する技術を開発した。自動車内装部品に求められる高い品質でリサイクルできる。コスト競争力向上と、二酸化炭素(CO2)排出量削減が狙い。2022年度をめどに他社の自動車部品の樹脂端材を含めて再利用する仕組みの構築も目指す。
三井屋工業は自動車のトランク内装部品、外装部品「フェンダーライナー」などを手がける。今回、フェンダーライナーなどの樹脂端材をトランク内装部品(写真)に再利用する技術を確立した。すでに完成車メーカーの採用が決まったという。
以前から、材料配合の異なる自動車部品の樹脂端材を再利用する試みはあったが、品質が劣化してしまう課題があった。同じ材料配合の樹脂だけ分類すれば高い品質で再生できるが、分類に手間がかかり実用化が難しかった。
今回の三井屋工業の技術では、まず樹脂の端材を粉末にし、混ぜて樹脂ペレットに加工する。その後、高い品質を確保するため、樹脂ペレットを溶かし樹脂材料の配合割合を一定にして再生する。
この技術により、CO2排出量は樹脂の新材使用時と比べて最大38%減らせる。
今後、他社の自動車部品の樹脂端材を受け入れてトランク内装部品に再利用する技術の確立を目指す。技術的なめどはついており、物流面の仕組みなどを検討する。また同技術を使いたい自動車部品メーカーや産業廃棄物事業者へのノウハウ提供も視野に入れる。
日刊工業新聞2021年10月