厚労省が「キャリアコンサルティング制度」普及促進
厚生労働省は、職務履歴や保有資格などを記録するジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティング制度の普及を促進する。相談日時や手段が限られていたことなどから、企業も労働者も制度を利用しにくかった。このため、利用日時や利用手段を見直し、環境を整備する。2022年度予算の概算要求に約15億円を盛り込んだ。キャリア形成と職業能力開発を総合的に進めていく。
厚労省は、土日祝日や夜間にも、キャリアコンサルタントを配置し、体制を整える。また、対面だけでなく、オンラインで対応できるようにする。
企業に、キャリアコンサルティングを体験的に受けられるような説明会を設け、キャリアコンサル利用を促し制度普及につなげる。キャリア形成や能力開発の必要性もホームページなどを通じて周知する。
また、キャリアコンサルタント登録者数を約6万人(7月末現在)から、24年度末には10万人に増やす予定。
キャリアコンサルティングは、厚労省が民間委託し、全国44カ所に設置したキャリア形成サポートセンターを通じて、実施している。労働者とキャリアコンサルタントが1対1で面談を行い、課題を整理し、解決していく。これまで、平日のみだったため、労働者は、利用しにくかった。労働者に、キャリアコンサルタントを通じ、働き方や働く意味・目的など、自己理解を深め、キャリア充実するための必要性が明確になるメリットについての理解もあまり進んでいない。
そこで厚労省では利用しやすい環境を整備するとともに普及に向けて、さまざまな施策に取り組む。
日刊工業新聞2021年10月1日