課題解決へパートナー探しができる。SDGs「大規模情報基盤」の全容
三井住友海上火災保険をはじめMS&ADグループが参加する一般社団法人「サステナブルトランジション」は、企業や自治体などが国連の持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを登録する情報基盤「Platform Clover(プラットフォームクローバー)」を大幅に改修した。登録者が課題解決のプロジェクトを発信して協力を求めるなど、他の登録者との連携機能を充実させた。1社では限界がある課題解決に一緒に取り組むパートナーを探し、プロジェクトを推進できる。
プラットフォームクローバーは、サステナブルトランジションの代表理事を務める法政大学の川久保俊教授の研究室も協力して開発した。企業や自治体、個人などがウェブサイト上に自身のページを開設し、SDGsの目標や活動を登録できる。改修前からも含め475件の登録があり、SDGs関連では大規模な情報基盤となっている。
登録者は課題解決のプロジェクトの名称や活動内容も記入できる。プロジェクトの実行に不足する人材や技術、資金などを「ニーズ」に書き込む機能を追加し、他の登録者に支援を求めることができるようにした。
他の登録者は検索機能を使って関心のあるプロジェクトを探し、人材、技術・ノウハウを提供できる。またパートナー申請機能もあり、承認をもらえるとメッセージを交換し、連携を可能とした。さらに、あらかじめ提供できる技術などを「シーズ」に記入し、他の登録者からオファーを待つこともできる。
すでに135件のプロジェクト登録がある。従来、各社が自社のホームページなどでSDGs情報を発信することが多く、他社の活動を収集する手段が限られていた。プラットフォームクローバーはビジネスマッチングの機会を広げ、連携によるSDGs活動の加速を支援する。
日刊工業新聞2021年9月15日