倒産件数は記録的低水準、年末まで急に増えない理由

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帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が8日発表した8月の倒産件数は、TDBが前年同月比31・5%減の449件、TSRが同30・1%減の466件だった。ともに3カ月連続の減少。8月として、TDBは比較可能な2000年以降で最少。TSRは1964年の372件以来の低水準。政府や金融機関の資金繰り支援策による倒産抑制効果が続く。

TDBは2カ月連続で、全7業種が前年同月から2ケタ減となった。TSRは10産業中8産業が前年同月を下回った。

業種などの内訳では、製造業はTDBが同26・5%減の50件、TSRが同38・4%減の45件。個人消費関連は、飲食はTDBが同18・3%減の49件、TSRが同19・4%減の58件と減った一方、宿泊はTDBが同2・5倍の10件、TSRが同3・5倍の14件と増えた。

負債総額は、TDBが同36・3%増の946億円、TSRが同25・6%増の909億円だった。ともに3カ月ぶりに前年同月より増えた。

TDBは負債5億円以上の倒産が増えたが、大型倒産が今後増えるとまではみていない。

倒産件数は記録的低水準が続くが、企業の状況は厳しい。TSRは「売り上げ回復が見込めない中、企業の負担感が増している」と過剰債務問題を挙げる。

TDBは「年末まで倒産は急に増えない」と見通す一方、原材料価格上昇を販売価格に転嫁できない現状を懸念する。

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日刊工業新聞2021年9月9日

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